BRZは改良を受けたのに同じクルマの86はなぜ改良しない?

86
トヨタとスバルが共同開発したFRスポーツは、トヨタでは86、スバルではBRZとして販売されている。

2012年2月に発表&4月から販売を開始して以来、クルマ界の話題の中心的存在になっていることに異論を挟むクルマ好きはいないハズ。

私もデビュー当初は売れるのは間違いないが、それがいつまで続くかわからないので、一過性に終わらなければいいが、と少しだけ不安に感じていたが、まったくの杞憂であった。

販売面で見ても、2013年7月までに86が3万26台、BRZが8247台を販売。月販平均では 86が1877台、BRZが515台で、86とBRZをトータルすると3万8273台(月販平均2 392台)を販売している。
苦境が続いていた2ドアクーペマーケットでは上々の結果を残していて大成功。若干落ち着いた感はあるが、依然として充分に引きは強い。
 
そんな好調86&BRZにあって、スバルは8月19日付けでBRZを改良することを発表(改良後のモデルは9月24日から発売)。それと合わせてSTIが独自のスポーティな仕様装備を施したBRZtSを新設定し、9月19日から販売を開始すると発表された。

共同開発車である86はトヨタサイドでは近いうちに改良やモデルを追加する予定はまったくないというから、どうして?

BRZはグレードの仕様変更をしただけ

BRZは、RA、R、Sの3グレードをラインアップしていて、今回マイチェンで元々はRとSにエアロパッケージ(5万3000円)として、リアポイラーとセットオプションとなっていたフルフロアアンダーカバーを最高級グレードのSのみに標準装備とした。

これにより価格は1万500円アップ。

86&BRZは、エアロダイナミクスにこだわっていて、CD値=0・27を誇るが、実はこの良好な値はフルフロアアンダーカバーが装着されていることが条件なのです。

街乗りでは多くの場合効果は見込めないが高速走行時には、整流効果が見込めるため高速域でのスタビリティにも貢献し、ないよりあったほうが燃費にもいいという。

もうひとつは、カスタマイズベース車両(86では競技ベース車と呼んでいる)のRAで、『パフォーマンスパッケージ』かオプションで選べるようになった。 

いずれもユーザーにとってはカスタマイズの幅が広がるというメリットがある。 

この点についてトヨタの見解は以下のとおりだ。
 
86、BRZとも共同開発車で、どちらも富士重工業群馬製作所本工場で生産されていますが、発売後は基本的にどちらも独自路線でいきます。

ボディの骨格やエンジンの改良、足回りなどの根本的な見直し、といった性能面に大きく関係するものであれば、多少の時期の差はあれ共通にその改良が盛り込まれることになると思いますが、今回のBRZの改良は、性能面の改良ではなく、マーケティング上の改良になると考えられます。 

開発段階で基本的なものは 86、BRZどちらにも装着できるようにする、という取り決めがあり、それを付けるか付けないかはマーケティングや営業サイドの判断に任せて、チョイスしているというわけです。 

基本は同じクルマではありますが、86とBRZではグレード体系も違えば、それぞれの装備内容も微妙に違うというのはこういう取り決めに起因していると言えます。

86、BRZともタイヤは17インチミシュランパイロットフライマシーHP、16インチがヨコハマのデシベルE70で共通。

外観で違いとなりますと、ヘッドライト、フロントバンパー、フロントフェンダーの加飾(86はエンブレム、BRZはメッシュ)、アルミホイールのデザインくらい。その反対にインテリアはインパネ、シートはそれぞれがオリジナルとされる。 

86とBRZではサスペンションのセッティングが若干チェンジされているが、日本メーカーの生産ラインは、4種類の仕様違いを一度に流せるほど優れているので、ダンパーのセッティング違い程度は問題なし。

トヨタのコメントどおり専用パーツはそれぞれあるが、基本的なパーツに関しては、自由選択というスタンスだから、今回86に先駆けてBRZが仕様変更したように、今後突然86の仕様変更というのも充分にあり得る。 

そのためトヨタからは、「何か不思議なんですか?」 と、聞き返されてしまった。

トヨタよ刺激されてもっと焦ってほしい!

 
次はBRZtS。500台限定で販売を開始。

この件についてもトヨタ広報部に問いあわせたところ、「tSは、STIさんが手がけたモデルで、スバルさんの独自路線。うちでいえばTRDが手がけるのと同じです」と、冷静を装っていたが、心のうち穏やかじゃないはずだ。
 
こういっては失礼だが、TRDの知名度はもちろん高いが、市販のコンプリートカーとなるとSTIの実績、知名度には勝つチャンスはない。まだ試乗はしていないが、これまで登場したtSシリーズを見るかぎり、BRZtSがイポテンシヤルなのは間違いないだろう。情熱的なファンを抱えるスバルだから、500台があっという間に完売、ということも充分に考えられるはず。 

スバルファンとしては待ってました!だろうが、トヨタサイドとしてはやられた感がアリアリであろう。

デビュー前、デビュー後のプロモーションともトヨタがスバルを圧倒し、トヨタは、ことあるごとにいろいろな市販前提といわれるスペシャルモデルを登場させているが、市販化の点で完全にスバルに先を越されてしまったのです。 

今までトヨタは、G’S86.GRMNのスポーツFRコンセプト(ワイドボディのツインチャージャーモデル)、その新化版のFRスポーツコンセプト・プラチナム、多田CE主導で開発を進めているファクトリーチューン、2013年のジュネーブショーでは86のオープンコンセプトを出展。ほかにも女性がデザインした市販前提車の86 x style Cb、今回の86デイズでは86スタイルJ、86スタイルSを新たに公表するなど、トヨタは86ベースのチューニングカー、カスタマイズに非常に積極的な姿勢を見せているが、今となっても市販化されたモデルはない。

これはさすがにダメなのでは。 

今回のBRZtSの販売開始にトヨタがジェラシーを持って刺激されて、スパっとスペシャルモデルを市販化してくれることに期待をしたい。

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